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広告対策

  • posted at:2015-10-16
  • written by:サクラ・エゾヤマ
広告が邪魔で日記だとわかりにくいのでダミー記事。
日記はこの下にあります。
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レイヤ21

  • posted at:2013-04-13
  • written by:サクラ・エゾヤマ
*SIDE*レイヤ

※サクラ(655)の続きです



1日ほど姿を見せなかったサクラが、大事な話があると俺様の部屋を訪ねてきて開口1番こう言ってきた。


「…レイヤ先生、すみません。私は…この度の卒業試験を放棄します。」

頭を下げながらそういうサクラが、一瞬何を言っているか理解できなかった。

…が、理解した後に怒りの感情がこみあげてくる。

「…何を言ってるんだ?貴様は。…まさか、諦めたのか?」

せっかく師事してやったと言うのに、諦めると言うサクラに対して少なからず苛立ちを覚えながらサクラを問い詰める。
すると、サクラはこちらをちらりと見て、申し訳なさそうに答えて来た

「卒業自体を諦めた訳ではありません。ですが…もっと大切なことが、出来ました。」

「一応聞いてやる。なんだ、もっと大切な事とは。」

これでしょうもない理由だったら1日に正座だ…と、思っているとサクラは爆弾を落としてきた。

「あなたの身体を蝕む呪いを、ときます。」

…心臓が止まるかと思うほどびっくりした。

「何故、お前がそれを知っている!?ええい、セツカか!口の軽い奴だ!」

俺様はセツカにしか喋っていないから、必然的に犯人であろうセツカを罵るが

「いいえ、セツカさんではありません。
あたしは…レイヤ先生がセツカさんにそのことを打ち明けていた時、扉の向こうに居たんです。」

どうやら、盗み聞きをされていたらしい。まったく気付かなかった・・・うかつだ。

「あの時に居たのか…まったく気がつかなかったな…盗み聞きとは良い趣味ではないぞ、まったく…。  …お前が卒業試験を棒に振るほどのとこではないぞ?」

そう、断言するが今のサクラの実力ではほぼ確実に徒労に終わるのだ。
だから、そんな無駄な事をする必要は無い…と、言ったがサクラの意志は固かった。

「考えて考えて、ちゃんと考え抜いて、決めました。
灘さんとカムイさんも了承してくれました。…バレット王にも、会いに行き、お話しました。」

1日ずっと居なかったのは、あの眼鏡に会いに行っていたかららしい。あの眼鏡め…!

「貴様、何時の間にそんなことまで…  …もう、そこまで決めているなら、何を言っても無駄だろうな。」

「はい。バレット王から伝言を承っております。「友を、よろしく」…と。」

錬金術師の自分が1番わかっている。

こう!と決めた錬金術師がどれほど頑固かということを。

もう、何を言ってもサクラはテコでも考えを変えないだろう。

「あの眼鏡め……言っておくが、レシピは確かにあるが、到底今のお前に作れるようなものではないぞ?」

「覚悟の上です、必ずやり遂げます。」

…今のサクラでは確実に失敗するであろう。

だが、錬金術師として完成している俺様と違ってサクラにはまだまだ伸びしろがある。

その伸びしろに、賭けてみるのも悪くは無いな、と思った。

「…わかった、ではお前に俺様を治させてやる、ありがたく思え」

若干の悪態をつきながら答える俺様に、サクラは微笑んだ

「……おとなしく治されてくれる様で安心しました。ではレシピをいただけますでしょうか?」

「…うむ、これだ。」

サクラに1冊の分厚いレシピを手渡すとさっそくパラパラとめくりはじめる

そんなサクラに

「サクラ…」

「はい?」

「すまんな、ありがとう。」

一言だけ、礼を言うと満面の笑みで返してきた

「…一日も早く、あたしがレイヤ先生を治します!それじゃ、失礼します!」

そう言って、サクラは部屋を出て行った。
さっそく、何かしらの調合を行うのであろう。

後は、サクラに全てを生も死も託す。
そして、サクラを信じてみようと思った。

サクラ22

  • posted at:2013-04-13
  • written by:サクラ・エゾヤマ
*SIDE*サクラ

「卒業試験を、あたしは放棄します。」


灘さんとカムイさんを呼び出し、あたしはハッキリとそう告げた。
二人は顔を見合わせ、そしてあたしを見る。

「…理由くらいは言いなさよ。あんたにとってもこっちにとっても大切な試験なんでしょ?」
「まさか難しくて逃げ出そうって訳とちゃうやろ?」

二人の言葉に、あたしは自分のスカートの裾を握り、俯く。

「……レイヤ先生が…」


あの扉の前で聞いてしまった話。
それを灘さんをカムイさんに、説明する。
レイヤ先生はあまり知られたくない事なのだろう。
けれど、あたしの決意を、灘さんとカムイさんに分かって貰わなければ前へ進むことは出来ない。

あたしが話し終えると、二人はやはり深刻そうな面持ちを見せた。

「…あのレイヤにそんな事情が…」
「だから時々具合悪そうにしてたんやなぁ。…ほんで、サクラはんはどうしたいん?」

カムイさんがこちらを見る。
あたしはその目をしっかりと見返し、答えた。

「あたしはレイヤ先生を治す薬を作ります。あたしはあの人を助けたい。あの人に残された時間は多くない。だから…ごめんなさい!あたしは、あなた達2人を日本へ戻すことよりも、レイヤ先生を助けることを選びます!でも、あたし、国に一度戻って二人のことを引き継いでくれる錬金術師を手配してくれる様に国王に頼んでみますから!」

そう言い終えると、灘さんが困った様に笑った。

「ばかね。そんなに責任感じなくてもいいのよ。ちょっと日本へ戻るのが先延ばしになっただけだもの。私達だって、自分の国に帰る方が人の命より大切なんて思うわけないわ。」
「せやで。レイヤはんが死ぬのをこのまま見過ごすなんて、そんなわけあらへん。俺らかて何や力になれることがあるなら手伝わせて欲しいくらいや。」

カムイさんがいつも通り、にっと笑う。
あたしは二人に何度も頭を下げ、そしてウルドとセツカさんにも話し、すぐにジェイド王国へと向かった。


 * * * * *


ジェイド王国、国王バレット・ジェイド─
彼は国政で忙しく、普通だったら会えるような人ではない。
しかし国王が管理している王立錬金術アカデミーの特別卒業試験生徒であるあたしは割と簡単に謁見を許された。
別の世界で試験に挑んでいる筈のあたしがたったひとりで戻ってきたことを最初は国王も驚いていたが、あたしが事情を話すと彼の表情は憂いを帯びた。

「…そうか……あいつはな…俺の古い友人だ。同じアカデミーで共に学ぶ同期だった。」
「え…でも…」
「ああ、レイヤと俺は年齢差がある。そう言いたいのだろう。今から25年ほど前だ、あいつは忽然と俺の前から姿を消した。そして君の試験の話が出てから、俺達は再会を果たした。」
「…25年…」

レイヤ先生がいくつかは正確には聞いたことがないが、せいぜい20代後半のはずだ。
そのレイヤ先生が25年前、国王と一緒にアカデミーに在籍していた。

「レイヤは18歳の頃、実験の失敗で15年間もの時間を空間ごと凍結していたらしい。」

ある錬金術の実験で失敗し、魔力が暴走。
その時作ろうとしていたアイテムが、時に関係するアイテムだったのが災いして、その実験を行っていた家ごと時間凍結してしまった。
しかも、危険な実験だとわかっていたので人気がまったくない場所で行っていたのも悪かった。
誰にも見つかることが無く、自然解呪するまで完全に放置されていた。

…それがレイヤ先生から国王が聞いた話。

「あいつと会った時に、君のことを最後の弟子と言ってた。最初に聞いたときは、あいつの性格を考えればそうだろうな、と思ったが…あいつは自分の寿命のことを考えていたんだな。」
「………………。あ、あの、国王。それで卒業試験のことなのですが…」
「ああ、わかっている。あの日本人の二人とウルドのことだろう?」

あたしは頷いた。
灘さん達は待ってくれると言った。
ウルドも卒業よりも大切なことだとわかってくれた。
けれど、あたしが一人で決めたことに巻き込んでしまう罪悪感がある。

「君とウルドの卒業に関しては保証しよう。日本人の帰還の研究についてもこちらで引き継ぐ。最も…彼らと話をしてからだな。引き継ぐとなれば彼らがこちらに戻ってくる必要がある。だが君と一緒にレイヤを助けるための決断をしたという話じゃないか。ならば君たちと一緒にいることを望むかもしれない。」
「……。ありがとうございます。本当に、言葉もありません…。」

国王の言葉に、あたしは目尻に涙を溜め頭を下げた。
そんなあたしに国王が近づき、肩に手を添えあたしの顔を覗き込む。

「こちらからもできる限りの支援を約束しよう。あいつを…友を頼む。助けてやってくれ。」
「……はい!」



→レイヤ・センドウ(Eno.656)へ続く

レイヤ20

  • posted at:2013-04-13
  • written by:サクラ・エゾヤマ
あれからどれぐらいの時がたったのか。
目を覚ましたらベッドの上に居て、横ではセツカが座っていた。

「目を覚ましたんですね、レイヤ先生。」
「ここは、宿か…俺様は何日寝ていた?」

丸一日ですよ、とセツカは窓のカーテンを開けながら答えた。

「最初は、ユカラやマグノリアが看病していたんですがね、徹夜で看病して寝なかったんで…さっき無理やり寝かしつけました。サクラさんは、栄養剤を作ってくる!って言って籠ってます。」

サクラの栄養剤か…嫌な思い出しかないが。

「すいません、必要な時に居ない護衛で…無理はしないでくださいね?皆、物凄く心配していましたし。戦闘職ではないでしょうし。」

「あの時は無理をするしかなかったから仕方なかろう。」

再び申し訳なさそうな顔をするセツカ。
しかし、こいつも顔色が悪いがこいつこそ病人ではないのか?
…まあ、良い。
セツカと俺様しか居ない状況というのはなかなか訪れないだろうし、この際だ。

ユカラが懐いているこいつに託すのも、悪くは無い。

「・・・1年だ。」
「は?何が・・・」

急に、1年と言いだした俺様を訝しげにセツカが見てくる。

「俺様の命は、もうすぐ尽きる。」


それを聞いたセツカの眼が驚愕に見開かれる。

「・・・とある実験の副作用でな。俺様の身体は日々、蝕まれるようになった。何かに、生命が食われているような、そんな呪いのようなものだな。特に、魔力を使うと顕著だ。」
「それで、サクラさんを庇う時に魔力を使ったから・・・でも、レイヤ先生ならそれぐらい治す薬を作れるんじゃないですか?俺やサクラさんを治した薬なら!」
「お前やサクラに作った薬では、精々延命が関の山だ。あれは、あくまで「あの薬」の副産物で出来たものだ。」

「…それでもう、治す事は出来ないって念を押して来てたんですね…。」

そう、身体の中の生命を補充することはできても、蝕みを止める事はできなかった。

「あの薬の副産物・・・ということは、薬を作ることは出来たんですか?それなのに、なぜ・・・」

「…ユカラはな、俺様が見つけた時にはもう、ほとんど息絶えていた。あの場には、貴様も居たのだろう?何が原因かはわかるな?」

再びセツカが息を飲む。

「・・・つまり、ユカラを救う為に・・・自分が唯一助かる薬を・・・。」
「結果的にはそうなるな。ユカラには絶対言うなよ?」

もし、ユカラがこの事を知ったら、自責の念で倒れてしまうかもしれんからな。

「同じ薬は、作れないんですか?」

「不可能だな。素材を集めるのに5年近く要した。それに、もうあれほどの錬金術を行う魔力を俺様は行使できん。」

錬金術は、高度になればなるほど一気に莫大な魔力を消費する。
もし、同じ錬金術を行えば、その瞬間全てを食われて俺様は三途の川を渡るだろう。

「副作用できた薬でそれなりに延命してきたが、その薬もなくなったからな。・・・1年というのも、だいたいの感覚だ。もしかすると、もっと短いかもしれん。あくまで、もったとして1年が関の山ということだ。」

薬がなくなった、のあたりでセツカが下を向き唇を噛む。
自分に使ったせいで、薬がなくなったとでも思ったのだろうか?

「ふん。貴様が気にする必要はない。残った薬を合わせても、あと1~2年延命できればいい方だったからな。今回、サクラの試験に同行したのは本命はユカラを外の世界になじませる事だった。」

そう、サクラに錬金術の知識を託す事も確かだが、ユカラが俺様離れできるようにするのが本当の狙いだった。

だが・・・

「・・・・・・セツカ、貴様に頼みがある。」

「・・・頼み?」

すっ、とベットから立ちあがり、セツカに向けて頭を下げる。

「お前は、サクラの護衛で、ユカラにも懐かれている。もし、旅の途中で俺が倒れたら、サクラとユカラを頼む。」

「ちょ、そんな・・・ユカラは勿論ですし、サクラさんも護衛ですからなんとかするに決まってます!頭を上げてください!」

「・・・もし、本当に不味くなったら、俺はユカラを置いて先に消えるつもりだ。何か理由をつけてな。・・・そんなぎりぎりに頼むわけにもいかんからな、1度、しっかり頼んでおきたかっただけだ。」

頭を上げて、再びベッドへ戻る。

「・・・だから、最近サクラさんとの様子が変だったんですか?あまり、近づけないようにして・・・」

ちっ、気付いていたのか。

「ふん、話しは終わりだ。・・・サクラとユカラには絶対に言うなよ。」

ベッドに寝転び、セツカと反対方向を向いて寝る俺様に、セツカが絞り出すような声で

「了解しかねますが…なんとか、ならないんですか?」

と聞いて来た

それには無言を貫く。

俺様がこれ以上何もしゃべらないとわかったセツカは、そのまま部屋を出て行く。




ユカラが俺様離れできるようにするのが本当の狙いだった。


だが、俺様は…サクラを、すこしづつ大事だと感じはじめてしまっている。
今回の件で、さらに寿命も縮んだだろう。


サクラには未来がある。


だが、俺様にはもう、未来はないのだ。

サクラ21

  • posted at:2013-04-13
  • written by:サクラ・エゾヤマ
※レイヤ(656)の続きです
─────────────────────────────

*SIDE*サクラ


あの後どうやって自分の部屋まで戻ったかは覚えていない。






─俺の命は、もうすぐ尽きる



レイヤ先生の言葉を聞いてから頭が真っ白になって、気づいたらあたしは自室に戻っていた。
手にしていた栄養剤も一緒に部屋に戻っていたので、きっと普通にそのまま踵を返し部屋まで戻ったのだろう。

いつの間にかあたしはベッドの上で朝を迎えていた。

寝たのか、それとも起きていたのか。
それすらも今のあたしには判別がつかなかった。


纏まらない考えがぐるぐると頭を巡り、あたしはずっと思考の海に溺れている。
いつの間にか朝食の時間が過ぎたらしく、コンコンというノック音にあたしは起き上がりドアを開けずに応えた。
ノックの主は、朝食に来ないあたしを心配したウルドだった。
つい寝坊してしまったので後で別に朝食をとりに行く旨を伝えるとひとまずウルドは納得してくれたようで、そのまま部屋に戻っていったようだ。


ぼす、と再びベッドの上に倒れ込む。



─多分、もっても1年が関の山だろう



再びレイヤ先生の言葉が脳裏を駆け巡る。



貴方が優しい人だと気づいたばかりなのに。
貴方が好きと自覚したばかりなのに。
貴方の傍に居させて欲しいと願い始めたばかりなのに。

レイヤ先生は治療する薬のことを、一度は作ったけど二度は作れないと言っていた。


「…どうして、二度は作れないんだろう。」

考えられることは…
材料の入手が非常に困難であること、
薬の作製にとてつもないちからが必要なこと
あたりだろうか。


あたしはカレンダーを見た。
卒業試験の開始からそれなりに経過し、灘さん或いはカムイさん、もしくは両方に何か呪いのようなものがかけられているのではないか、という推論までは達していた。
これからいよいよ煮詰めて行く段階だ。


でも。
あたしは─


 * * *


夕方、あたしは灘さんとカムイさんを呼び出した。
あたしが改まって二人を呼び出すなんてことはないので、一体何事かと思われた様だ。
ふたりは怪訝そうにあたしを見ている。
あたしは二人の顔を見て、そして告げる。



「卒業試験を、あたしは放棄します。」

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