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サクラ01

  • posted at:2012-09-29
  • written by:サクラ・エゾヤマ
(Eno654.ウルドのSSの続きです)

*SIDE*サクラ・エゾヤマ

「やっと、やっと戻ってこれたよ……ただいま、サクラお姉ちゃん。」

ウルドが涙を滲ませながらあたしを包み込むように抱きしめる。
お姉ちゃんとは一体どういう意味なのか、そう思ったや否や、あたしの脳裏のパズルに欠けていたピースがかちりとハマる音がした。

「み…ゆきちゃん…?」

あたしがそう呟くと、ウルドがあたしを抱きしめたまま頷いた。

えっ!?
でも
だって

「深雪ちゃん…帰ったって…」
「うん…帰ってきたよ、戻ってきた。私の願い通り…。」

あたしの肩口に埋めた頭から、くぐもった声が聞こえてくる。
その声はか細く震え、深雪ちゃんがまだ泣いていることが分かった。



宿の酒場から出て上の客室に入り落ち着くと、深雪ちゃんは今までのことを話してくれた。
自分をこの世界に呼んだウルドの魔法を阻止すること。
預言者に拾われたこと。
アカデミーであたしと出会ったこと。
ウルドは自分だったこと。
阻止が成功した瞬間、昔と今が平行世界になってしまうこと。

色々聞いて、深雪ちゃんがすんなりと元の世界に戻った訳ではなく大変な苦労をしてきたのだと思うと、涙腺が緩んで仕方ない。
再会した時と立場が逆になり泣きじゃくるあたしの頭を、深雪ちゃんはよしよしと撫でた。

「もう人に甘えてばかりで何もできない私じゃない。今の私ならお姉ちゃんのちからになれる。だから頑張ろう、卒業試験!」
「でも…」

泣きながら鼻水をすするあたしを見た深雪ちゃんはあはっと声を出して笑う。

「サクラ、すごい顔してる!」
「ひ、ひどい!ひとがまじめに…」
「ありがとう…サクラはやっぱりサクラだね!」

弾けるように笑う深雪ちゃんを最初はぽかんと見てたが、やがてあたしの口からも笑みが溢れる。

「ウルドと深雪ちゃんが同じ人…ってね、実は考えたこと、あったの。」
「え、そうなの!?なんで!?」
「だって、顔は似てるしウサギ好きなのも一緒なんだもん。でもありえないって…思ってた。」
「そうだよね…普通はそう思うよね。実際ややこしいって思うもん、自分も。」

一緒にくすくすと笑い、あたしとウルドは互いを見つめた。

「卒業…しようね。二人で一緒に。」
「うん!私のサポートにどんどん頼って!」
「そして一緒に帰ろう…」
「うん…元の世界に…」

─ジェイド王国に。


あたしと深雪ちゃんの小指が、絡まった。
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