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サクラ08

  • posted at:2013-03-31
  • written by:サクラ・エゾヤマ
*SIDE*サクラ・エゾヤマ

とうとうこの日が来てしまった。
そう、あたしとレイヤ先生のデートの日だ。

灘さんが「デートは待ち合わせするもの」と言い出して、同じ宿に泊まっているにも関わらず現地の入口集合な為、あたしは『精霊ランド』というアミューズメントパークへと急いでいた。
レイヤ先生の姿を見つけ、私は足を早め、声をかける。

「お、お待たせしました、レイヤ先生…すいません、灘さんに着付けの最終チェックをされていて…」
「貴様、遅いではない、か?」

苛々とした声を発しながらコチラを見たレイヤ先生の語尾が上がる。
レースをふんだんにあしらったワンピースの上にショールを羽織ったあたしを見ている様だ。

「サクラ…寒くないか?」
「ちょっと寒いです…っていうか、第一声がそれですか?まあ、レイヤ先生ですから特に期待とかしてませんでしたけど…。」

嘘ではない。
だってこのコミュ障相手にそういうのを期待する方が間違いだもの。
寒くないかどうか聞いてきただけでも上出来なのではないだろうか。
そう思っているとレイヤ先生が言葉を続けてきた。

「まあ、何時もの服が見慣れすぎているせいか、少し違和感を感じるが。ふむ。似合ってはいる…んじゃないか?」

─似合ってはいる

耳を疑う言葉にあたしは驚いてレイヤ先生の目を見る。
そして、薄手のシャツの上に黒のジャケットを羽織ったレイヤ先生の服装を改めて見ると、なんだか恥ずかしくなってしまった。

「あ、ありがとうございます。れ、レイヤ先生も馬子にも衣装ですよ!痛い!」
「うるさい。俺様は何時もの格好で良かったのだ。」

直様レイヤ先生からチョップが飛んでくる。
少しばかりの気恥かしさがまぎれた気がした。

「とにかく、さっさとデートとやらを済ませて帰るぞ。ここで遊べばいいのだろう?」
「そ、そうですね…なんかこのまま帰っても良い気がするんですけど、なんかバレそうですよね。灘さんに。」
「バレそうだな。」

灘さんは恋愛関係に関してのセンサーが半端なレベルではない。
…自分のこと以外は。
もしかしたらどこかで見張っているのではないだろうかとすら思う。
まぁせっかくだし、普通にテーマパークを楽しむというつもりで…と考えていると、不意に手を握られた。

「では、行くぞ。サクラ。」
「ひゃわぁ!?れ、レイヤ先生!?手、手!」
「ん?デートとは手を繋ぐものらしいぞ。ほら、行くぞ。」

飛び跳ねそうな心臓を抑えるあたしはレイヤ先生に引き摺られ入園したのだった。


いろいろな乗り物が賑やかな音楽と共に動いている。
あたしは遊園地なんてものは初めてで、故郷では「世の中にはそういう施設がある」と聞いたことがあっただけなので、一体何が何やらとキョロキョロしていると、レイヤ先生が園内の案内から選んでくれた。
どうやら高いところから落ちるスリリングを楽しむライドという乗り物らしい。

「この高さからなら、ブレインがもしここに居ても見つけられるからな。」
「それは名案ですね!レイヤ先生!全力で見つけましょう!」

クラゲさんの名前を聞いてあたしは顔を輝かせ、いそいそと後をついて搭乗する。
乗り物自体はとても楽しかったけど、ブレインさんはいらっしゃいませんでした。
わかってたけど。

そのあとも船で擬似ジャングルをツアーする船にのったりと色々回っていると、大きなお屋敷の前までたどり着いた。

「ここはなんだ。…お●け屋敷?」

レイヤ先生が看板を読み上げる。
お化●、という言葉にあたしは思わず身体をこわばらせる。
はっきり聞こえたけど聞きたくなかったからノイズにしちゃったけど、アレだ。
うー…苦手なんだよね…
でもそんなの言うの、子どもだと思われそうで恥ずかしい。

「れ、レイヤ先生?次はど、どれに乗ります?もう一回ブレインさん探します?」

あたしがそう切り出すと、レイヤ先生の表情が変わる。

「どうした、サクラ。まさか錬金術師たるものが●化けが怖いと言うのではないだろう?」

不敵な笑みを浮かべ、ふふんっと鼻を鳴らしてきた。

「ば、馬鹿な事を言わないでください!お、●●けなんか全然怖くないんですからね!ぜんっぜん!」
「では、この屋敷の中に入るぞ。折角目の前にあるのだ。入らない手はないな。」
「え、それとこれとは話しが別…ちょ、ちょっとーレイヤ先生ー!?」

はいりたくないいいいいI!!!!!!!!
というあたしの心の叫びは無情にも無視され、あたし達は●●●屋敷に入ることになってしまった…。

ここからのことはいろいろな意味で思い出したくない。
とにかくレイヤ先生にしがみついて泣いていた気がする。
レイヤ先生は●●●なんてやはり全く怖くもなんともないようで、ずっと平然としていた。
でもあたしを突き放さずにいてくれたし、先へ進めるようにあたしの背を押してもくれていた。
この場に限っては頼りになるなって思ったけど、出た瞬間にレイヤ先生に引っペがされた。

「おい、サクラ。何時までひっついている!そろそろ離れろ!」
「うぅ…そんな急に離さなくてもぉ…嫌だったのはわかりますけど。レイヤ先生があんなところ入ろうって行ったのが悪いんすよぉ?」

連れて行かれた側としては腑に落ちないので抗議すると、レイヤ先生はふいっとあたしに背を向けた。
そしてあたしの手を取る。

「やかましい、苦手なら苦手と言え馬鹿ものが。それに、別に嫌だったわけではない。ほら、次に行くぞ。」


その瞬間、不覚にも、デートっぽいって、思ってしまったのでした。

…Coming Soon


 * * *


*SIDE*兵庫

セツカをあいつらのデートの偵察にやり、宿の部屋でベッドに寝転がり天井をぼーっと眺める。
ベッドの上には私だけではなく、ナナからの預かり物が乗っていた。

「トマト祭りかぁ。こっちの世界でも似た様なことやってんのねぇ…。」



でも、あれ?
向こうで宿とかとっていそうなものだし、なんで私に預けたのかしら?


「…!」


そして私はひとつの結論にたどり着く。




鳥頭だから持ち帰るの忘れるのね、多分。
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