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サクラ15

  • posted at:2013-04-13
  • written by:サクラ・エゾヤマ
※レイヤ(656)の日記とリンクしています
※前回からの続きです

*SIDE*???─3年前─



‘女騎士’が森の中を駆ける。

‘少女’の手をひいて。


奴隷として囲われていた屋敷からの逃亡で既に体力を使い果たしていた‘少女’の息はあがり、目の前がチカチカとしてくる感覚に襲われていた。
それでも‘女騎士’が手を引いてくれるから。
護ろうとしてくれているから‘少女’は懸命に足を動かす。
しかしそれでも限界は来る。

「…このままじゃ追いつかれる…覚悟、決めるか…」

‘女騎士’は足を止め呟く。
‘少女’ははぁはぁと息を切らせ不安そうに‘女騎士’を見上げた。
後ろの方を険しい顔で見ている‘女騎士’の視線を追うと、追ってきている人影が遠くに確認できた。
‘女騎士’は‘少女’の方を見遣り、静かに告げる。

「時間が無いから息を整えながら聞いて…このままだと、すぐ追いつかれる。だから、私はここで奴らを食いとめるから…あなたは少しでも遠くに逃げて。」

俄かに‘少女’の眉が、瞳が、歪んでいく。
‘女騎士’は‘少女’の顔を見て躊躇いながらも言葉を続ける。
‘少女’にもわかっているのだろう、自分がこの後どうなるかが。

しかし、彼女は騎士だ。

「ほら、そんな顔しないの。綺麗な顔が台無しよ?…私達は騎士だから。弱きものを護るためにあるの。だから、行って…ね?」

─弱きものを護る為のその手で、‘少女’の背を押す。
‘少女’は瞳に涙をため、しかし‘女騎士’の意を汲み、ついに走り出した。




どのくらい走っただろうか。
走ってまもなく聞こえてきた戦いの音はもう聞こえない。
自分が走りながら踏む草木の音以外はもう何も聞こえなかった。


しかし、‘少女’の行く先には絶望が待っていた。
眼の前に広がる崖と、そして崖下に覗く深い森。

他の道を行かなければ。

振り返ると先ほどの‘追跡者’達がすぐ傍まで迫っていた。
その一人を見て‘少女’は目を見開く。

胸に深々と刺さっている剣は、騎士団の屯所で見たものだった。



─…私達は騎士だから。弱きものを護るためにあるの。



あの‘女騎士’の姿が脳裏に蘇る。
唇を噛み、‘少女’は赤髪の‘男’から貰った短剣を咄嗟に構えた。
しかし襲い来る‘追跡者’の前に、成す術は無く。

‘少女’は鮮血を噴出しながら崖の下へと落ちていった。
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