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サクラ17

  • posted at:2013-04-13
  • written by:サクラ・エゾヤマ
*SIDE*ユカラ


僕とマグノリアは双子だ。
男女の双子なので二卵性だか、僕とマグノリアはよく似ている。

だから、セツカさんがマグノリアを見て動揺していることで、確信を得た。
彼はあの時助けた逃亡奴隷を‘少女’だと思っているのだと。

今までセツカさんと話していて、そうかもしれないと感じたことはあった。
しかし、別の件で似た様な状況を経験しているのかもしれないとも思っていた。
あの当時、僕は飼い主の嗜好で髪を伸ばしていたから、少女だと思われても不思議はない。


奴隷として過ごしてきた日々は、僕とマグノリアの心に暗い影を落としている。
マグノリアは外に出て他人に触れ、人の本来の暖かさに気付きすっかり人懐っこくなったらしいが、僕は基本的には他人が怖い。
勿論、奴隷だったことを打ち明けたくない。
セツカさんは弱者を護る騎士だ。
そして何より、奴隷になってから、初めて信じられた人だった。
だからセツカさんは怖くない。
それでも自分の過去を打ち明けるには勇気がいるし、僕があの時の少女だと打ち明けることで、僕がただの子どもではなく、元奴隷の哀れな子どもだと判ればセツカさんが僕に気を遣うのでは無いかと思い、ずっと知らない振りをしてきた。
しかしマグノリアが目の前に現れたことで様子が変わってしまったセツカさんを見ていると、真相を話して彼をあの日の後悔から解放しなくてはいけないと…

そう思った。



あの日、僕に託した短剣をマグノリアに見せているセツカさんに、声をかける。
しかし二の句が出てこない。

「…ユカラ?」

セツカさんが僕の名を呼ぶ。


―それはマグノリアではなく、僕だ。


ただそれだけの言葉がなかなか出てこない。

「どうしたんだ?具合がよくないとか…」
「そうじゃなくて…あの…」
「そうか?ならいいけど、遠慮せずになんでも言えよ。」

セツカさんが僕の頭を撫でる。
その瞬間。


「僕だよ。あれはマグノリアじゃない、僕だ。セツカさんに救われた逃亡奴隷は、僕だ。」


言葉が出てきた。


* * *

それからは、ぽつりぽつりとではあるが、セツカさんに全てを話した。
別れた後に何があったか。
特にセツカさんが気にしていた女騎士のことも、僕の知っている範囲で話した。
セツカさんは憂いた顔をしてはいたけれど、僕の無事をただただ喜んでくれて。

僕を抱き締めて


「あの時は、一緒に居れなくてごめんな…でも、生きていてくれて…よかった。本当に…」


そう、絞り出すように繰り返していた。
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