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サクラ20

  • posted at:2013-04-13
  • written by:サクラ・エゾヤマ
*SIDE*サクラ

レイヤ先生の様子が少しだけおかしい。
そう前に思ったのは間違いじゃなかった。
レイヤ先生は意地悪さんに戻った訳ではないけれど、あたしを避けている。
最初は気のせいかとも少し思った。
でもそれはすぐに確信に変わった。

もやもやとしているあたしに気づいた灘さんが再び目を輝かせ、以前と同じように「あんたらおかしいからまたデートしてきなさい!」と指をつきつけてきた。
レイヤ先生はゲンナリとしていた様だけど、こうなった灘さんには何を言っても無駄だと互いにわかっているので、互いに渋々といった感じで了承した。
場所は前にも行ったテーマパークでいいかと妥協もした。

当日になって、待ち合わせによく見慣れた二つの影を発見する。
ユカラ君とマグノリアちゃんだった。
意図はわからないけれどレイヤ先生が連れてきたらしい。
マグノリアちゃんは初めて経験するものばかりで、瞳を輝かせ耳をぴんと立ててきゃーきゃーとはしゃいでいた。
ユカラ君は相変わらずの様子だけどたまに見せる穏やかな笑顔を見る限りでは楽しんでいる様だ。
あたしはそんな二人の保護者を買って出た。
レイヤ先生と接しているより気が楽だからだ。

そうしていると不意にレイヤ先生が話しかけてきた。

「どうだ、サクラ。楽しめているか?」
「はい。十分楽しめていますよ。でも、今日はユカラ君とマグちゃんがいるから、保護者的な側面もありますもの。」

あたしは胸をはり澄ました顔をして見せる。
するとレイヤ先生はふっと顔を別の方向へ向けつぶやく。
あの方向は、そう、あたしの大嫌いな●●け屋敷がある方向だ。

「そうか。…サクラが保護者か。…あの屋敷ではどうするつもりだろうな?」
「きょ、今日はあそこは一身上の都合で閉館設定です、あたしの中で!」

さぁっと青ざめて咄嗟にそんな言葉が出てくる。
レイヤ先生はくくっと笑いながらあたしの頭をぽんぽんとしてきた。

「閉館設定か。じゃあ、俺様達が入るときは待っているか?外で。」
「えっ、いいんですか?」
「じゃあ、来いといえば来るのか?」

願ってもない話にぱっと顔を輝かせるとレイヤ先生は意地悪な笑顔でそうつっこんでくる。
しょげながら、どうしてもと言うなら、と返事をすると、どうやらからかっているだけらしかったレイヤ先生は満足した様で、再びあたしの頭を撫でてきた。
そうして先を歩くマグノリアちゃんに向かって声をかける。


「マグノリア、次はどこの乗り物に乗りたい?」
「えとえと、次はあのお空を回るわんちゃんに乗ってみたいです!えと…フライングヌヌーPって書いてますね。」

笑顔で跳ね歩くマグノリアちゃんが指差す方向には、空を飛びながらぐるぐる旋回する犬のような乗り物があった。

「…ジェイド王国の犬にそっくりだな、まあいい。じゃあ、あれに乗るか。では、行くか…」


そうレイヤ先生がつぶやいた時。

何もない空に真っ黒な穴があいた。


─レイヤside(656)へ
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