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サクラ21

  • posted at:2013-04-13
  • written by:サクラ・エゾヤマ
※レイヤ(656)の続きです
─────────────────────────────

*SIDE*サクラ


あの後どうやって自分の部屋まで戻ったかは覚えていない。






─俺の命は、もうすぐ尽きる



レイヤ先生の言葉を聞いてから頭が真っ白になって、気づいたらあたしは自室に戻っていた。
手にしていた栄養剤も一緒に部屋に戻っていたので、きっと普通にそのまま踵を返し部屋まで戻ったのだろう。

いつの間にかあたしはベッドの上で朝を迎えていた。

寝たのか、それとも起きていたのか。
それすらも今のあたしには判別がつかなかった。


纏まらない考えがぐるぐると頭を巡り、あたしはずっと思考の海に溺れている。
いつの間にか朝食の時間が過ぎたらしく、コンコンというノック音にあたしは起き上がりドアを開けずに応えた。
ノックの主は、朝食に来ないあたしを心配したウルドだった。
つい寝坊してしまったので後で別に朝食をとりに行く旨を伝えるとひとまずウルドは納得してくれたようで、そのまま部屋に戻っていったようだ。


ぼす、と再びベッドの上に倒れ込む。



─多分、もっても1年が関の山だろう



再びレイヤ先生の言葉が脳裏を駆け巡る。



貴方が優しい人だと気づいたばかりなのに。
貴方が好きと自覚したばかりなのに。
貴方の傍に居させて欲しいと願い始めたばかりなのに。

レイヤ先生は治療する薬のことを、一度は作ったけど二度は作れないと言っていた。


「…どうして、二度は作れないんだろう。」

考えられることは…
材料の入手が非常に困難であること、
薬の作製にとてつもないちからが必要なこと
あたりだろうか。


あたしはカレンダーを見た。
卒業試験の開始からそれなりに経過し、灘さん或いはカムイさん、もしくは両方に何か呪いのようなものがかけられているのではないか、という推論までは達していた。
これからいよいよ煮詰めて行く段階だ。


でも。
あたしは─


 * * *


夕方、あたしは灘さんとカムイさんを呼び出した。
あたしが改まって二人を呼び出すなんてことはないので、一体何事かと思われた様だ。
ふたりは怪訝そうにあたしを見ている。
あたしは二人の顔を見て、そして告げる。



「卒業試験を、あたしは放棄します。」
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