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レイヤ01

  • posted at:2012-09-29
  • written by:サクラ・エゾヤマ
『それは、遥か昔より受け継がれた鏡の記憶と白き力』

【 SIDE セツカ 】

目が覚めると、そこは白いベットの上だった。
身体を起こし、辺りを見渡すと側にある椅子にレイヤ先生が座っており、こちらを見ていた。

「…ふん、気がついたか。まったく、サクラを治したと思ったら次は貴様とはな…俺様は医者ではないのだぞ。」

レイヤ先生は不機嫌そうにこちらを見ながらそう文句を言い放つ。

そういえば、と思い身体を確認してみると…負っていたはずの怪我がまったくなくなっている。
跡すらない。

「…一つ言っておくが、もうあんな怪我を負っても治してやらんからな。サクラもだが、今回は特別サービスだと思っておけ。」

むしろ、良くあれだけの怪我をこんな簡単に治せるものだな、と純粋に感心しながらも感謝する。

「…一応、聞いておくが何があった?」

レイヤ先生の問いに、あの後…何があったかを思い出す。

そう、同僚のティヒアに斬りかかられた後の出来事を。

【 SIDE セツカ(回想) 】

不意打ちで袈裟斬りにされたが、一瞬少しだけ身体が反応してくれたおかげで致命傷はなんとか回避できた。
そのまま、後ろに下がりながら体勢を整え傷痕を確認する。
なんとか、臓器がはみ出したりはしていないようだが、出血が激しい。
そして、目の前の相手…元・同僚のティヒアは生気の無い表情で再び斬りかかってきた。

「っ…やめろ、ティヒア!セツカだ!敵じゃない!」

なんとかティヒアの剣をかわしながら、彼女に呼びかけるが向こうからの応えはない。
いや、何かを呟いてるのは聞こえる。
傷が痛むのを堪えて剣をかわしながら、なんとかその声を聞きとり・・・

目を見開く。

「…ペンダントを…その女を、返せ」

「ペンダント…!女って…しまっ…!」

そして、その一瞬の気が緩みで、剣をかわし損ね…さっき斬られた方と逆に袈裟斬られた。

出血量も相まり、目が霞んだ俺は…そのまま、倒れ伏した。

ペンダント…女…フィー…フィーを…まもら……

俺は、そこで1度意識を失った。



【 SIDE フィー 】

セツカが…このままじゃセツカが死んでしまう…!
ペンダントの中からでは何もできない自分に歯噛みしながら、ノウァになんとかできないか打診をした。

最初は渋っていたノウァも、私の必死さが伝わったのかニ―ルさんをその場所に飛ばしてくれることになった。

間にあって…!



【 SIDE セツカ 】

子供の頃の話…俺は、大きくなったら母さんと結婚する!とか言ってた時期もあった。
ほんと、子供の頃の話なんだけどさ・・・父さんにはそれを言ったら殴られた。

「いってぇ!なにすんだよ父さん!」

「うるせぇよ、淡雪は俺のだっての。お前には、ってか誰にもやらん。」

「もう、焔ったら、嬉しいけどまだ雪火は小学生なんだよ?」

淡雪母さんがよしよしと父さんに殴られた場所を撫でてくれる。
そして、オリフさんがやれやれといった感じのジェスチャーをしながら父さんを呆れた目で見る。

「焔さん?さすがに心が狭すぎやしません?まあ、淡雪は確かに私のものになる予定ですけど。」

「とりあえず、お前とは決着つけなきゃいけないみたいだなオリフ。・・・あと、雪火」

ビッと父さんが俺の方を指さす。

「もし、本気で淡雪と結婚したいなら意地見せてみやがれ。男の意地ってやつをな。とりあえず、俺は今からそこのオリフに見せつけてくる。」

「自分の子供に大人気なさすぎですよ焔さん。…まあ、今日こそ決着をつけて淡雪を頂いて帰ります。」

父さんとオリフさんの何時もの決闘がはじまったのを横目に母さんは俺を撫で続けてくれた。

「父さんが言いたいのはね、きっと…雪火が本当に好きになった人が出来た時に、頑張りなさいってことだよ。」
「・・・うーん、そういうもん?」

そういうもんだよ、って母さんは優しく微笑んでいた。

「48の殺オリフ技のひとつ!ジェノサイドオリフゥ!!!!」

「なんの、目からびぃいいいいいむ!」

未だ庭で争っている二人を眺めながら、子供心に母さんの言葉は印象に残った。




そして、湖に何かが落ちる音と水飛沫で意識を取り戻す。


俺の首にかかったペンダント取ろうとしていた最中だったのか、それを握って外そうとした形で湖を見て固まっているティヒアを飛びあがる反動で蹴りあげる。

傷痕から激痛が走るが、気にしない。

その衝撃に溜まらずペンダントを離したティヒアから距離を取り、痛みで何度も意識が飛びそうになりながら剣を構える。

「…どんな理由でも…誰であろうと、渡さない…!2度と、フィーを手放したりはしない!」

自分に言い聞かせるように咆哮する。

身体は出血でロクに動かない。
さっきの蹴りも奇跡的に身体が動いただけ。
それでも!


「男には…意地が…あるんだよ!」




【 SIDE フィー 】

神でも悪魔でも…いや、悪魔はさっき失敗したからいいです。
とにかく、誰でもいい…!私の力を全部あげてもいい…!
だから、お願い!セツカを…助けて!
そう願いながら、私はペンダントからセツカに想いをこめ続けた…


【 SIDE セツカ 】

ふと、傷の痛みが少し和らいだ気がした。
後ろから誰かに護られている…そんな感覚。
それは、懐かしいような、愛おしいような気配。

そして、目の前のティヒアから紡がれる別のナニカの言葉。
それは憎悪と怨嗟が入り混じった言葉。

「貴様は…!貴様が邪魔をするのか…!紫の魔女…!」

何を言っているのか、俺にはわからなかった。

だけれど、動く…身体が、動く。
それだけは分かった。

「うぉおおおおおおおおお!!!」

その力の勢いに任せて、俺はティヒアに斬りかかり…剣ごとティヒアを断ち切った。

そのまま、土くれのようにティヒアが崩れるのを見た後、俺も…崩れ落ちた。








【 SIDE 道産子 】

ウサギ先生が夜中に、ずぶ濡れで傷だらけのセツカはんを抱えて宿に帰ってきた。

かなりの致命傷らしく、またレイヤ先生が傷を見ている。

サクラはんが治ったところや言うのに…何が起こってるんやろうか?


ちなみに、ウサギ先生は何があったか語らず、ずぶぬれのまま隅っこで体育座りしている。

…ウサギ先生にも何があったんやろうか。
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