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レイヤ20

  • posted at:2013-04-13
  • written by:サクラ・エゾヤマ
あれからどれぐらいの時がたったのか。
目を覚ましたらベッドの上に居て、横ではセツカが座っていた。

「目を覚ましたんですね、レイヤ先生。」
「ここは、宿か…俺様は何日寝ていた?」

丸一日ですよ、とセツカは窓のカーテンを開けながら答えた。

「最初は、ユカラやマグノリアが看病していたんですがね、徹夜で看病して寝なかったんで…さっき無理やり寝かしつけました。サクラさんは、栄養剤を作ってくる!って言って籠ってます。」

サクラの栄養剤か…嫌な思い出しかないが。

「すいません、必要な時に居ない護衛で…無理はしないでくださいね?皆、物凄く心配していましたし。戦闘職ではないでしょうし。」

「あの時は無理をするしかなかったから仕方なかろう。」

再び申し訳なさそうな顔をするセツカ。
しかし、こいつも顔色が悪いがこいつこそ病人ではないのか?
…まあ、良い。
セツカと俺様しか居ない状況というのはなかなか訪れないだろうし、この際だ。

ユカラが懐いているこいつに託すのも、悪くは無い。

「・・・1年だ。」
「は?何が・・・」

急に、1年と言いだした俺様を訝しげにセツカが見てくる。

「俺様の命は、もうすぐ尽きる。」


それを聞いたセツカの眼が驚愕に見開かれる。

「・・・とある実験の副作用でな。俺様の身体は日々、蝕まれるようになった。何かに、生命が食われているような、そんな呪いのようなものだな。特に、魔力を使うと顕著だ。」
「それで、サクラさんを庇う時に魔力を使ったから・・・でも、レイヤ先生ならそれぐらい治す薬を作れるんじゃないですか?俺やサクラさんを治した薬なら!」
「お前やサクラに作った薬では、精々延命が関の山だ。あれは、あくまで「あの薬」の副産物で出来たものだ。」

「…それでもう、治す事は出来ないって念を押して来てたんですね…。」

そう、身体の中の生命を補充することはできても、蝕みを止める事はできなかった。

「あの薬の副産物・・・ということは、薬を作ることは出来たんですか?それなのに、なぜ・・・」

「…ユカラはな、俺様が見つけた時にはもう、ほとんど息絶えていた。あの場には、貴様も居たのだろう?何が原因かはわかるな?」

再びセツカが息を飲む。

「・・・つまり、ユカラを救う為に・・・自分が唯一助かる薬を・・・。」
「結果的にはそうなるな。ユカラには絶対言うなよ?」

もし、ユカラがこの事を知ったら、自責の念で倒れてしまうかもしれんからな。

「同じ薬は、作れないんですか?」

「不可能だな。素材を集めるのに5年近く要した。それに、もうあれほどの錬金術を行う魔力を俺様は行使できん。」

錬金術は、高度になればなるほど一気に莫大な魔力を消費する。
もし、同じ錬金術を行えば、その瞬間全てを食われて俺様は三途の川を渡るだろう。

「副作用できた薬でそれなりに延命してきたが、その薬もなくなったからな。・・・1年というのも、だいたいの感覚だ。もしかすると、もっと短いかもしれん。あくまで、もったとして1年が関の山ということだ。」

薬がなくなった、のあたりでセツカが下を向き唇を噛む。
自分に使ったせいで、薬がなくなったとでも思ったのだろうか?

「ふん。貴様が気にする必要はない。残った薬を合わせても、あと1~2年延命できればいい方だったからな。今回、サクラの試験に同行したのは本命はユカラを外の世界になじませる事だった。」

そう、サクラに錬金術の知識を託す事も確かだが、ユカラが俺様離れできるようにするのが本当の狙いだった。

だが・・・

「・・・・・・セツカ、貴様に頼みがある。」

「・・・頼み?」

すっ、とベットから立ちあがり、セツカに向けて頭を下げる。

「お前は、サクラの護衛で、ユカラにも懐かれている。もし、旅の途中で俺が倒れたら、サクラとユカラを頼む。」

「ちょ、そんな・・・ユカラは勿論ですし、サクラさんも護衛ですからなんとかするに決まってます!頭を上げてください!」

「・・・もし、本当に不味くなったら、俺はユカラを置いて先に消えるつもりだ。何か理由をつけてな。・・・そんなぎりぎりに頼むわけにもいかんからな、1度、しっかり頼んでおきたかっただけだ。」

頭を上げて、再びベッドへ戻る。

「・・・だから、最近サクラさんとの様子が変だったんですか?あまり、近づけないようにして・・・」

ちっ、気付いていたのか。

「ふん、話しは終わりだ。・・・サクラとユカラには絶対に言うなよ。」

ベッドに寝転び、セツカと反対方向を向いて寝る俺様に、セツカが絞り出すような声で

「了解しかねますが…なんとか、ならないんですか?」

と聞いて来た

それには無言を貫く。

俺様がこれ以上何もしゃべらないとわかったセツカは、そのまま部屋を出て行く。




ユカラが俺様離れできるようにするのが本当の狙いだった。


だが、俺様は…サクラを、すこしづつ大事だと感じはじめてしまっている。
今回の件で、さらに寿命も縮んだだろう。


サクラには未来がある。


だが、俺様にはもう、未来はないのだ。
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